冬だから。
Twitterにpostしたものに追記。
冬だから、寒いからこそ五能線に乗って、寒さをただただ感じたい。荒れる日本海を黙って見ていたい。
灰色の海。でも日本海側で生まれ育った自分には、青から遠く離れたこんな色が海の色なのだ。
宿に着いて、重ね着に埋もれ、温かな夕食に心染みて、湯冷めぬようそそくさと身体を拭いて、布団に潜って耳を澄ませて冬の音を捕らえたい。
青森在住の方は「何故?」と思われるかもしれない。でも、夏は自分に何のインスピレーションも与えてくれないけど、冬の寒さは心を研ぎ澄ませてくれる気がするのだ。寒ければ寒いほど、感性が鋭くなるように思うのだ。
今自分が住んでいる大阪市──都市は自分の感性を鈍らせ腐らせている。心だけでも逃げ出したいのだ。
あと……寒いと酒が美味く感じるように思う。
元々暑がりで冬でさえ酒杯を重ねると暑く感じることもある。それにウオッカの無口さは寒い冬こそ深く身に染みるように思う。
精神病薬に頼っているから酒は本来禁忌だと頭では分かっているのだが、心地良い酩酊感は薬では得られない。
昨年の秋、深酒して自分を失い転倒して大変だったが、それで飲酒を止める事はなく、でも、ホドホドの量と酔いで仕舞いにするように心掛けるようにした。
孤独を宥めてくれるものがなければ、こんな都市で独り生き続けるのは辛いのだ。悪癖だとわかっていても。