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 今のところ艦これ日記が中心です。先輩提督の皆様のイベントや深部海域攻略アドバイスに深い感謝をしつつ。
 「艦これ変想」は、艦これを題材にした二次創作です。ご笑納ください。
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遠いどこかの港で:官舎便り1:カレーが苦手

 提督がログアウトしている間、私達がやるべき事はさほどない。遠征に向かった艦隊の無事を祈ったり、官舎の整頓、提督の指示によって艦種ごとに定められた運動などの自主訓練だ。
 
 私は皆から集めた自主訓練や作業の報告書を執務机の上に置き、文鎮を載せた。
 小正月前まで和室だった内装は元に戻された。ブルーを基調とした質素で薄暗い室内だ。普段、片側だけしかカーテンを開けてない。現実世界の提督の身体の事情で、仮想世界でも同じように静かな環境が欲しいとの理由だ。年末年始は特に明るさに神経質だった。眼が炎症を起こしたためこの世界に居ても影響が出てしまうのだという。

 ばさっ。
 居ない間ならいいだろう。カーテンを開け窓を大きく開き、身を乗り出す。通常、窓際は提督の「指定席」なので私は数歩下がった位置に立つが、今は好きにさせてもらおう。
 背後で、文鎮で押さえた書類が風で踊る音がする。
 目の前には南方の紺碧の海がどこまでも広がっている。しかし……海といえば、私には一つの事しか思いつく事はない。
 「世界は美しい、か」提督が時折口にする、戦闘とは関係の無い言葉の一つだ「あいつらが棲む海のどこが美しいというのだ」

 天龍や龍田が遠征先で出会った他の母港所属の艦の話を聞くと、他の母港の提督はもっとしっかり勤務していると感じる。大型艦建造や開発をどんどんこなしていたり、秘書艦にあれこれと細かい指示をしたり、常に傍に置いて母港や艦達の状況確認を怠らないという。
 あの提督は秘書艦という仕様を嫌っているように思う。私をあくまで重巡の先任としか扱わない。駆逐艦軽巡重巡や航巡の事については主に私が監督するようにと言われているが、空母軽空母は赤城と加賀の二人が共同で監督し、軍艦は特に先任を置かず、形式毎で相談して決めよという。また、何か提督に尋ねたいことがあればログイン中ならいつでも執務室に来なさいとも。おかげで、私が提督に具申中に駆逐艦達が提督を外へ引っ張りだそうとして中断を余儀なくされる事もしばしばだ。
 他にも、本来ならば秘書艦が管理や指示する事を提督が直接指示したり、逆に私を含めた5~6艦で話し合って決めた後結果報告すればよろしいとか、秘書艦の任務の一つである書類の受理、作成や処理も、提督が作成から決済までやってしまうという具合である。そんな訳で提督執務室の隣にある秘書艦室は使われておらず家具のないからっぽ状態だ。
 確かに、この母港の通常任務に差し障る事はたまにしか起きていない。大抵、新しい艦がやってきたときに起きる。最近だと熊野がしでかした事がそうだ。
 しかし……提督の運用方針が次の大海戦の準備に重きを置いているため、山城や扶桑、また、軽巡達の出撃は皆無に等しい。戦ってこその軍艦である。戦うことは私達の宿命であり、本願である。折角この前第5海域の3図面まで制覇したのだ。母港でフラフラとしている暇があれば、より強い深海棲艦を撃破するのが使命ではないかと歯がゆい思いで一杯である。
 開発や建造について消極的なのも困る。大型建造が実装され、今までこの泊地には存在しなかった大和や、新たに発見されたという大鳳が大型建造によってもたらされると聞いた時は胸が高鳴った。今居る武蔵に大和が揃えば、そして長門も来れば戦力増強間違いなしなのにと。ところが、遠征で集めた資源は倉庫に備蓄が基本で、課題任務が終われば待機指示。貯まった資源数を見て何度もうなずく姿を見ると、吝嗇も程ほどにと思わずにいられない。
 確かに、一度大海戦海図攻略を開始したらテキパキと指示を出して提督らしい姿を見せてはくれるが、それ以外の時は小胆、腑抜けとしか言いようがない。

 提督が男性だったら違っていたのだろうか? 私は時々そう思う。私がこの世界で創造された時に付与された様々な知識や、提督によってもたらされた知識、他の艦と話してみて思うのは、人間は私たちよりもずっと不確定な要素によって動いているということだ。ならば……提督が私達の事を「確固たる存在」と考えるならば、どうして私達にもっと頼らないのだろうかと思う。
 ただ、着任してから何度か、モニターを見ている提督が唸っている事があった。何事だろうかと尋ねたが、私の声に驚くとモニターを消してしまい気まずそうな顔をした。
 未だに良く分からない。もう少し凜々しく精力的に働いてもらいたいものだ。

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 「不思議よねえ」
 「なになに?なんの話ですか?」青葉が、私がふと漏らしたひと言に飛びついてきました「……もしかして、本当にボーキ食べちゃったと」
 「あ・り・ま・せ・ん!」
 思わず、青葉のおでこに軽くコツンと拳をひとつ。もう……皆して、私の事、ボーキ食べてるとか言うんだから。私が好きなのは塩味が少し強くて、黒ごまがたーっぷり入ってる、歯ごたえがしっかりした乾パン。提督がこの前、現実世界にある色々な戦闘糧食写真を見せて下さったけど……でも、これが私はこれが一番好き。昆布の佃煮とおかかのおにぎりも大好きです。あっ、塩鮭が付いてたらもっと良いわね。それに、小茄子と胡瓜のお漬け物と、白ネギとお豆腐のお味噌汁がつけば文句なしです。朝食がこうだと、一日、皆が大過なく過ごせるような気持ちになります。

 さて、今はお昼ご飯の時間。メニューは勿論、皆大好きカレーです。調理は間宮さんの担当だけれど、人数が人数なので、手が空いている子達が自主的に手伝っています。今日は私も野菜の下ごしらえをしたんですよ。
 「なにがふしぎなの? 赤城おねーさん」
 私は懐から懐紙を取り出して、皐月ちゃんの口元についたカレーをぬぐいました。本当、この子達はみんな可愛いですね。いつも一緒の天龍さんと龍田さんがうらやましく感じます。
 「ん? それはね、提督がカレーが苦手っていうことなの。こんなに美味しいのにね」
 「睦月も大好きです!」
 「英国でもカレーは人気ですネー!」
 「観察していますと、提督はどうやら偏食気味のようですね」霧島さんがクイッと眼鏡をあげて「梅干しには絶対手をつけません。南方の果物も苦手としてますね」
 「日本酒だけでなく、お酒は少ししか口を付けないんですよ」今度は千歳さんです「たまにはしっぽりと……と思うんですけれど」
 「千歳姉ぇ、だめええ!」
 「そーいや、酒粕も駄目って言ってたよねぇ」
 「矢小屋に入った途端、思いっきり顔色悪くなってたわ」隼鷹の話に、飛鷹がスプーンをくるくる振り回して笑いつつ「多分下戸。だらしないわよね」

 「さあさあ、おしゃべりばかりしてると氷が溶けてしまいますよ」
 「きゃあああ!」
 「急そがなきゃ!」
 間宮さんがバケツのようなものをスプーンでコンコンと叩くと、それまでぺちゃくちゃ話ながら食べていた皆が一斉にカレーに集中します。カレーの後で、製造器を使ってアイスクリームを作るのを駆逐艦達がとても楽しみにしているんです。勿論……私も大好きです。何しろ甘い物は戦闘で疲れた心身をゆったりさせてくれますし。また、くるくると羽の付いたレバーを回していくと、内側の容器に入った材料が外側の容器に入った氷で冷やされて、液体だったものが段々とアイスクリームになっていくのを見るのが楽しいのです。

 アイスについても提督は不思議な反応をしますね。最初、じーっと見てるんですけれど「この世界でも、駄目なモノは駄目だ」とぼそっと呟いて、顔をひきつらせながら談話室から出て行ってしまうんですよ。後で那智さんにそれとなく聞いてみたのですが、現実世界で医師から食事についてきつく指導があるからだとか。こちらの世界で楽しむだけならいいのにと思うのですけれどね。本当、不思議な提督です。クリスマスの時は「たまには良いか」」とおっしゃってケーキなど口にされてましたけどね。
 
 現実世界がどういうものなのか、私達には分かりません。
 けれど、提督はいつも「皆と過ごせて嬉しい」とおっしゃっています。深海棲艦との戦いは気を抜けず、厳しく辛いことが多いですが、こうやって皆と楽しい時間を過ごす事は、提督だけでなく、私にとっても幸せな時間です。

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 たまには艦娘側からの話も……ということで、那智と赤城で。
 
 自分には秘書艦的存在は今のところ居ません。矢矧は自分にはドストライクなんですけれど、大型建造で引けるかどうか…… 那智が最後の方で語っているシーンは、矢矧の画像を見てた所ですね。那智は私にとって大切な艦娘ですが、嫁とか秘書艦っていうより、腑抜けの自分に渇をいれて下さるる姉上的存在って感じです。あと、もし、万が一超幸運で矢矧を建造できたとしても、嫁認定するかどうかは……みんな可愛し、好きですから誰か一人に絞るというのが出来ないんですね。
 そんな話にプラスして、自分の腑抜け部分について那智に代弁してもらいました。耳が痛い……
 
 赤城さんの乾パン話も書きたかったエピソードでした。自分、カレーは苦手です。ココイチでもハヤシライスを食べます。家族のために作りはしましたが、今は一人ということもあり、作るならシチューかポトフですね。ですが、インドカレーはたまに食べたくなります。ナンが好物というのが大きいかも。梅干しは絶対ダメ。他にもウニやイクラなどの魚卵類や、野菜の一部で苦手なものがあります。ピーマンとニンジンは大丈夫。

 最近は心身の具合が本当に悪くて、日課も殆どこなせていません。毎年のことなので仕方ないのですが。日課や「近代化や改装」について触れている次の話は既に書き始めており、長くなるかもしれないですね。で、それと同時にこちらもつらつら書いていて、コレで良いかなって言うんで公開。次の話はいつになるやらちょっと分かりません。このグッタリした時期がいつ終わるのかは本当に分からないんです。