今のところ艦これ日記が中心です。先輩提督の皆様のイベントや深部海域攻略アドバイスに深い感謝をしつつ。
 「艦これ変想」は、艦これを題材にした二次創作です。ご笑納ください。
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遠いどこかの港で1:夜の浜

 ♪なもしらぬ とおきしまより ながれくる やしのみひとつ……

 

 「あと30分で第二艦隊が遠征より戻る」

 「ああ、申し訳ない」体育座りで夜の海を見たまま自分は那智に返事をした「……そういえば、南西クエも終えてなかった。イベントが終了してしまった後、腑抜けてしまったなあ」

 「あれほどの大海戦だったのだから致し方ないと判断する」

 彼女はいつも淡々と語る。

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 この世界は一つの仮想世界だ。海上で対峙する鋼鉄の兵器として多くの士官、兵と共に戦い、被弾し、散っていった史実とは異なる世界だ。軍艦と同じ名前を持ってはいるものの、彼女達は人間の女性の姿を持っている。そして戦う相手は米国海軍ではなく、深海棲艦と呼ばれる、海底より現れる幽鬼のような存在である。その正体は、史実で沈んだ船の「船魂」の哀しみの念から生じたものとか言われているが自分には分からぬ。

 分からないが構わぬ。敵であるならば撃破せねばならぬ。彼女達を率いて戦うだけである。兵站を整え、彼女達に命令を出し、「羅針盤」という、自分にも彼女達にも制御が出来ぬ不思議な存在が良い方向を指してくれるのを祈りつつ進路を進める。彼女達が傷つけば入渠させ、新たな者たちが海より現れたときには自分の戦略にのっとって扱うだけだ。

 そんなことを、現実の世界とこの世界を往復しながら数ヶ月やってきた。

 2013年の11月が始まるとすぐに大海戦が始まった。神経をすり減らしつつ、最後には武蔵を迎え、大海戦は終了した。その後、自分は少し腐抜けてしまったのである。

 那智は聡い。

 聡いが、自分を尊重してくれる。無論、このまま腐抜け続けているならば、彼女が自分を見る瞳の色はつめたいものになるかもや知れぬが。

 「さて、第一艦隊の休息も終わった事だろう。もう一度オリョールへ向かうよう指示を出すか」

 「私は待機か?」

 「今後のことを考えると正直悩んでいる。別の鎮守府の先輩から、次回の大海戦はミッドウェー海戦をベースにしたものではないかと助言を受けた。そうなれば、空母四隻と金剛型の育成を優先させねばならない。無論、先の大海戦の教訓を生かし、決戦支援艦隊に出すために武蔵と陸奥の育成も重要課題である」

 「……」

 「君は古参だ。自分のことをずっと見てきた。先の大海戦でも何度も出陣している。次の大海戦でもその冷静な眼で状況を見、自分に冷静な意見を具申してくれることを期待する」

 「了解した」

 砂浜から立ち上がると、遠くから歌声が聞こえてきた。

 

 ♪うみはひろいな おおきいな つきはのぼるし ひはしずむ

 

 かわいらしい声だ。睦月型の駆逐艦達が歌っているのだろう。彼女達の世話をする天龍と龍田には頭が上がらない。遠距離遠征の旗艦と二番艦を常に努めてもらっている。資源を得るには欠かせぬ存在だ。海域で戦う事も大事だが、遠征で資源を取得してくることもこの戦いには重要なファクターだ。

 「迎えに行くか」

 「うむ」

 月が綺麗だ。現実世界では見る事が出来ない、美しい月だ。

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 「しれーかーん!」

 港へ戻ると、がちゃがちゃと、身につけている12cm砲を鳴らしながら、駆逐艦達が出迎えてくれた。彼女達が持ち帰った資源が次々とガントリークレーンを使って降ろされている。

 おしゃまな睦月、おしゃれさんな如月、少年のように元気な皐月、まだまだ甘えん坊の文月。その後ろから、天龍と龍田がゆっくり歩いてくる。

 「おお、大成功だったね。よくやった」

 一番最初に自分の元へ走り寄った皐月の頬を、夜風で冷えた頬を両手で包んでやる。

 「くすぐったいっ! やめてよ!」皐月がぷるっと身をふるわせて飛び跳ねた。

 「直ぐにまた遠征ですの?」

 「どうしようね」如月に問われ、自分は宙に浮かぶモニターに目を向けた「……弾が足りないんだな。だが、バケツも欲しい」

 「ふふぅ~、現在海上遠征に由良さんがいってるんですのねぇ~?」龍田がモニターを覗き込む「一時間半で戻ってきて、荷揚げの後のんびり指示待ちしてばかり。うらやましいですわあぁ」

 「自分の現実の問題もある。24時間皆につき合う事は出来ん。理解してくれ」

 未だに彼女は良く分からない。竹を割ったような天龍は、よくこの不思議性格の娘とやっているもんだと感心する。

 「今、誰か夜戦をしているのか?」

 「いや、休息待機だ。バケツ節約の為、20分以内の修理は単純入渠で済ませている事もある」

 「ちぇっ」

 そうは言うものの、指示に従うのは、さすが史実で古参だけのことはある。

 さて。仕度するか。

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 とりあえず、ふっと思い立って書き始めてみました。アンソロとかそういうものが、まるで史実と同じように敵と戦っているという感じじゃないかなと感じたので、むしろ、インゲームという前提で書いてみるのが面白いのではと思い、こういう形に。今後、先日のイベントや平時の事を混ぜながら、気が向いたときに書こうかなと思います。